Scope:
遷移金属化合物は、多様な化学結合や結晶構造、電子構造を有し、遷移金属元素に特有の電子状態や軌道によって多様な物性や材料特性が現れます。そのため、超伝導体、トポロジカル物質、半導体、磁性体、光学材料、触媒などの候補物質群として注目され、基礎研究から産業応用を目指した材料開発まで幅広い分野で研究が行われています。また、これまでにない結晶構造や物性、機能を示す新しい物質や材料の開発が、酸化物、窒化物、ハロゲン化物、またそれらの複合アニオン化合物や金属間化合物などの多岐にわたる物質群を対象として精力的に進められています。
本セッションでは、遷移金属化合物を対象として、先進的な合成法や特異な反応場によって得られる物質とそのユニークな結晶構造や物性・材料特性、また、量子ビームや第一原理計算などを用いた最先端の測定技術や計算科学を駆使することで明らかになる電子構造や物性機構などの研究を中心的なテーマとして取り上げます。これらに関連する固体化学、固体物理、応用物理、計算科学などの研究者が一堂に会し、最新の研究成果を発表し、それぞれの専門分野の視点から議論を交わすことで、遷移金属化合物の研究の横断的な理解を深め、融合的な発展を促進します。