シンポジウム & プログラム

生体関節を規範とする骨軟骨組織・機能の再生・再建のための革新技術

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Scope:

我が国では、超高齢社会の進展に伴い変形性関節症の患者が増加しており、人工関節置換術の適用が急増している。人工関節技術の進展により患者の運動機能の回復や除痛において顕著な成果が得られているが、一部では再置換の事例も増えている。人工関節置換術には、全置換術の他、関節の一部を人工材料に置き換える半置換術もあり、再生組織による代替を含めて、患者の負担を最小限に抑えるために、多くの選択肢が提供されるようになった。しかしながら、その適用方法、効果、リスクについては未だ研究開発段階である。また、人工関節は耐用年限に問題があり、小児や青壮年の関節疾患に対しては、骨の荷重支持部位(角度)を変えて痛んだ関節面から残存する正常関節面に荷重を移動させる骨切り術による治療が行われている。この関節温存手術によって人工関節の導入を遅らせ、結果的に再置換術の回数を減らす事ができる。骨切り術では正常関節面が残っていれば荷重軸の変更による軟骨面(組織)の再生が期待される。本シンポジウムでは、生体関節を規範とした新しい摺動原理に基づく人工関節や骨切り術、骨軟骨組織再生がどこまで可能かについて最新の研究成果を発表し、異質物性の組織を多層構造でコンパクトに実現している骨軟骨組織を、材料工学、機械工学、生体組織工学の観点から討論し、骨軟骨組織・機能の再生・再建のための低コストで、安全性の高い革新技術の開発動向について情報交換する事を目的とした。

Topics:

1. 骨軟骨機能再建
2. 再生軟骨
3. 人工軟骨
4. 骨切り術
5. 多層構造材料
6. バイオトライボロジー

招待講演:

[招待講演]

  • 「関節機能再建を目指す人工関節のトライボロジ」 馬渕 清資 (北里大学)
  • 「再生軟骨の構造物性非侵襲評価法」 牛田 多加志 (東京大学)
  • 「再生軟骨の臨床応用への課題」 富田 直秀 (京都大学)

[オーガナイザー講演]

  • 「骨加工を伴う関節置換術支援システムと再生軟骨の評価法」 光石 衛 (東京大学)
  • 「ハイドロゲルの性能改善技術」 鈴木 淳史 (横浜国立大学)