Scope:
人工知能(AI)によるロボットやiPS細胞による再生医療の発達は凄ましく, 近未来の社会を予想することは難しい。しかし, 生命を支える食物, 生体材料, エネルギーはいつの時代も不可欠な要素として, 従来の材料と技術を基盤として進化している。生命活動は有機化合物を構成材料とし, 物質, エネルギーおよび情報変換により自立的に行われている。これらの機能は, 従来の電子のみを扱うエレクトロニクスから物質移動を含めたイオンの動的制御によって模倣が可能である。
これまで有機イオントロニクスを主題として, 材料と技術に関する話題を持ち寄り, 未来技術への基礎と現状を議論してきた。今回も, 本シンポジウムが将来の持続的な循環社会を目指す人間親和性, 環境・エネルギー問題を解決する技術の一翼を担う重要な科学技術と認識し、継続して開催することとした。
本シンポジウムでは有機イオントロニクスに基づく生体模倣デバイス, 例えば, 光電変換や情報変換の有機デバイス, バイオ燃料電池や太陽電池などの環境エネルギーデバイス, 酵素センサー, ニューラルネット, シナプス素子, および人工筋肉などのバイオデバイスなどのトピックスに重点を置く。特に, 有機イオントロニクスに興味を持っている研究者に, 打ち解けて親しみやすい雰囲気でともに肩を並べ, 知識, 技術や経験などの意見交換をする機会を提供する。
Topics:
1.有機イオントロニクス
(電気化学発光素子, 電気化学トランジスタ, エレクトロアクティブ材料などの電気化学デバイス)
2.環境エネルギー
(太陽電池, バイオ燃料電池、蓄電デバイスなどのエネルギー変換素子)
3.有機デバイス
(プリンテッドエレクトロニクス、有機無機ハイブリッド素子、有機光電変換素子など)
4.バイオデバイス
(バイオセンサー、酵素センサー、ニューラルネット、シナプス素子、人工筋肉など生体模倣デバイス)
5.有機ナノテクノロジー
(薄膜作製技術、新規有機材料、モルフォロジー制御など)