A-2 : 特異なスピン構造から創発する物質の新しい性質と機能性
Organizers:
Representative
・ 吉田 紘行 | 北海道大学 |
Correspondence
・ 吉田 紘行 | 北海道大学 | [email protected] |
Co-Organizers
・ 山浦 一成 | 物質•材料研究機構 |
・ 辻本 吉廣 | 物質•材料研究機構 |
Publication Organizer
・ 吉田 紘行 | 北海道大学 |
Scope:
スピンは電子が持つファンダメンタルな自由度の一つであり、人類は古来その自由度が巨視的に発現した磁性体を機能性材料として利用してきた。近年、遷移金属を含む酸化物や金属間化合物において幾何学的フラストレーションやスピン軌道相互作用、ジャロシンスキー守谷相互作用の研究が著しく進展し、これらはスピン液体状態や多極子秩序、トポロジカルなスキルミオンの励起、電気磁気効果などスピン自由度に基づいた様々な新しい現象を誘起することが明らかになっている。これらの系で実現する特異なスピン構造は、スピン液体状態における無損失情報輸送キャリアの生成、スキルミオン制御による省エネルギーメモリデバイスの開発、外場制御エントロピクスによる磁気冷凍材料の創成などの豊かな性質や機能性を創発する可能性を秘めており、磁性研究はその解明・制御を志向した新しい時代へと移り変わっている。本シンポジウムでは、電子の持つ基本的な自由度であるスピンの相関によって発現する特異なスピンテクスチャを実現する新規物質の合成、新研究手法開発、性質評価および先端的な機能性の開拓を中心テーマとし、最近の進展について議論を行う。
Topics:
1. 遷移金属化合物の磁性材料
2. フラストレーションが作る特異なスピン構造
3. スピン軌道相互作用が誘起するスピン構造
4. スピン構造のトポロジー
5. 特異なスピン構造の制御によるエントロピクス