B : スピンクロスオーバー現象研究の新展開
Organizers:
Representative
| ･ 沖本 洋一 | 東京工業大学 |
Correspondence
| ･ 辻本 吉廣 | 物材機構 | [email protected] |
| ･ 沖本 洋一 | 東京工業大学 | [email protected] |
Co-Organizers
| ･ 山浦 一成 | 物材機構 |
Scope:
強い配位子場中の遷移金属酸化物イオンを含む化合物の中には、いわゆるスピンクロスオーバー（SC）現象とよばれる興味深い磁性転移現象を示すものがあり、結晶場と結合したｄ電子が示すこのSC効果の研究は、現在でも材料物性研究の重要な柱の一つとなっている。この現象は、主に鉄イオンを含む錯体系や、コバルトイオンを含む酸化物系などの物質においてよく見られ、これまでに様々な系でそのスピン転移現象の研究がなされてきている。
このような状況下で、近年特に我が国を中心として、このSC現象研究が著しい進展を見せており、新SC物質探索、新実験手法によるSC現象、そしてSC効果に附随する興味深い物性の発見（巨大自発分極、高磁巨大熱電特性、光誘起相転移・光機能性など）といった実験的研究が、理論研究を巻き込んで次々に報告されている。
本シンポジウムでは、鉄錯体系やコバルト酸化物で見られるこのSC現象を最重要キーワードと位置づけ、SC現象に関連する新物質合成、新研究手法開発、そして新機能という3つのテーマを中心に、それらの最近の進展についての議論を行う。
Topics:
(1)スピンクロスオーバー酸化物系の新機能
(2)スピンクロスオーバー錯体系の新機能
(3) 新しいスピンクロスオーバー物質
(4) 軌道放射光を用いたスピンクロスオーバー系の構造解析
(5) デバイス応用に向けたスピンクロスオーバー物質の薄膜合成と物性評価
(6) スピンクロスオーバー系の高速ダイナミクス