Scope:
「有機イオントロニクスに基づく先端科学と技術」と名づけた本シンポジウムでは, 有機材料における電子とイオンの挙動に基づく諸現象を解明し、新規な機能を探索すると共に工学的な応用デバイスについて議論し, 次世代エレクトロニクス技術を展望する。
“イオントロニクス（Iontronics）”は馴染みのない言葉であるが、“イオン（Ion）”と“エレクトロニクス（Electronics）”を合体した造語である。有機材料は軽量、フレキシブル、プリンタブルプロセスさらに半導体にはない機能の多様性から、次世代のエレクトロニクス材料として期待され、シリコンに代表される半導体から有機材料へのパラダイムシフトが起こっている。有機材料は生体材料と同じ組成、構造および機能を持つため、バイオエレクトロニクスや人工器官の材料としても注目されている。バイオエレクトロニクスには、電子とイオンの挙動を分子構造や材料のモルフォロジー の下で機能の発現を解き明かす“イオントロニクス” の考えが不可欠である。イオントロニクスは、エレクトロニクスを模倣するデバイスだけではなく、イオンであるからこそ発現する新奇な機能を創出する次世代の科学と技術である。
